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秒速で1億儲ける与沢翼の倒産から学ぶマーケティングのコツ

2014年4月26日に、秒速で1億稼ぐ男として有名な与沢翼さんがブログ上で会社の破綻状況を告白しました。

ニュースを見た時は、何かジョークか彼の新手のマーケティングが始まったかと思っていましたが、ブログ内容を見る限り実際に破綻状況に陥ってしまったようです。
その翌日、コンサルティングファームで同期だった友人とFacebookで与沢さんの話題になりました。
彼が取り扱っている商材やビジネスモデルを真っ当なものだとは思いませんが、実際にアイデアだけでお金を稼ぎきった事を踏まえるとすさまじいマーケティング力があるという事になります。
正直言って、真っ当な商材やビジネスモデルで勝負していても、マーケティング力が無ければ、この競争社会では全く生き残れません。特に海外でビジネスをやっていると、ルールなんてほとんどなく、法律には触れないならどんな手を使っても成功して生き残り続けるか、中途半端な正義感に捕らわれて失敗してしまうかのどちらかだと痛感しています。
放映中のドラマ、ブラックプレジデントの第三話の台詞ですが、企業は持続することが目的である。という事がまさしく真理だなと経営者になってよく分かります。
今回は、一旦は失敗になった彼のマーケティング手法から学べるコツがあるのではないかというテーマです。

■無から価値を生み出す

消費者が購買というアクションを起こすのは、商品に価値があるからです。
そして商品の価値に見合った金額を支払います。
商品の価値というのは同時に、販売者と消費者の駆け引きする場である市場によって決定されます。
与沢さんが提供するものは、ほぼ無価値である情報という商材をマーケティングによって高い価値に変えてしまいます。また、世間一般の市場で戦うのではなく、成功したいという気持ちが強い層に強力に働きかける事によって熱狂的なサポーターを作り、売り手が有利な市場で戦っています。
与沢さんが無であるモノに価値を与えるために使ったマーケティング手法が、ストーリーマーケティングです。
実は、どんな業界や商材でも取られているオーソドックスなマーケティング手法の1つです。例えば、ポカリスエット×青春、マークX×攻める大人の男といった、なぜその商材が対象となる消費者に必要なのかをストーリーを用いて訴求する方法です。
与沢さんは、億単位のお金を稼ぐ技術をセミナーや情報媒体で販売するというビジネスを展開していました。カラクリは、自分が大成功しているわけではないが成功法を教授するという方法で受講生を集める事を成功させたことです。一旦、受講生が集まりだすと、与沢さんが儲かり始めるわけで、お金の面では本当に成功してしまいます。それによって説得力が増し、更なる付加価値を受講生に感じさせます。
実は、ネット上の社会では情報商材を使ったこの手の販売商法でビジネスを展開している事業者が沢山います。起業支援コンサルタント、IELTS高スコアの秘訣、TOEIC満点の技、等々。
これらの商材やサービスは、ほとんどコストが掛からず売り切りで、簡単にはいかない問題をあたかも解決してくれる唯一の方法というストーリーを展開して顧客を集めています。
1つ1つの情報商材は、嘘が書いているわけではないが実現するのは非常に困難だったりします。例えば、IELTSの商材だったら英単語を10,000個覚えましょうという具合です。書いてある技を全部やり遂げられれば目標は確かに達成できる可能性が高いものの、大抵が情報商材を買う前から努力すればできることばかりです。
つまり、誰もが分かってるレベルの情報を、ストーリーという付加価値を付け販売してしまうわけです。

■就職活動で役に立つストーリーマーケティング

ストーリーマーケティングが活躍する場の1つが就職活動でしょう。
私を含めて学生から就職活動をする時は、自分は社会においてそれほど高い価値がないと思ってしまいます。
また、就職仲間やライバル、面接で落とされた会社からの負のフィードバックが、より自信を失わせることに繋がってしまうわけです。
大切な事は、本来スタートラインが対して変わらない就職活動において、自分がいかに高い価値であるかをストーリーで語ることです。全く価値のない情報商材ですら、皆さんの年収をはるかに超える利益を生み出す源泉になっています。
なぜ、自分が価値があるのか、企業が求める人材としていかに貴重な存在であるかをストーリーを立ててみてください。これまでの人生を振り返れば誰しも成功のストーリーを紡ぐ事は可能です。こんなレベルじゃ自慢できないというのは、周囲のロビー活動にまんまとハマっているだけです。
自分が無価値だと思ってもそこから価値をストーリーで生み出しましょう。

■経営コンサルティングも無から価値を生み出すビジネス

実は、経営コンサルティングも無から価値を生み出すことによって収益を上げるビジネスだと思っています。
企業に眠っている問題を見出し、問題を解決するという方法を分析・設計するというビジネスモデルです。
企業内では元々無いと思っていた問題を、コンサルタント達は作り上げているわけです。
コンサルティングの提案書も、凄まじい論理武装をしたストーリーで構成されています。
市場のトレンド、競合他社、海外事例、他業種事例、ITソリューションといったファクト(事実)から、論理を紡ぎだして企業の改革点を作り上げます。
そして、コンサルタントに支払う対価よりも改革で得られる効果が高いということを納得してもらい、契約に至るわけです。
ビジネスを成功させる為に必要なスキルの1つが、いかに素晴らしいストーリーを自分のビジネスに持ち込み、共感を得られるようにするかだと思います。
与沢さんが、破綻に至ったことすらもストーリー化しているところを見ると、もはや天性のストリーテラーであると言わざるを得ませんが、無から億単位の金を作ることも理論上は可能であるといういい例なのではないでしょうか。

 

 

東京大学大学院修士卒、アクセンチュア株式会社の経営コンサルティング本部戦略グループに入社。同社退職後はオーストラリアに永住し、各種事業の責任者をしています。

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